2401起業media
webマーケティングにwebページは必要か?! トークセッションで徹底解剖

起業してすぐのタイミングで、ホームページは必要か? とお悩みの方は多いかもしれません。日進月歩なwebマーケティングの界隈で何をしたら良いか悩んでいる人もいるでしょう。
今回は、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社で働きながら、YouTubeチャンネル「りょうちゃんねる」で発信されている高橋良輔さんと、AI時代のSEOである「AIO・LLMO」コンサルタントとしても活躍されている株式会社はちのす制作 代表取締役の小林和司さんにお話を伺います。講演とトークセッションの二部構成で、最新のwebマーケティングについて深掘りしていきましょう。
〈登壇者プロフィール〉
高橋 良輔さん / 中小企業診断士、youtuber
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 クラウドインフラ事業戦略企画部企画グループ所属。昼はGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社でサラリーマン、夜は高橋国際コンサルティング事務所の代表として、経営コンサルタント業務を行う。また、地方創生を事業柱とする合同会社Michilabの業務執行社員。PRESIDENT経営者カレッジではオンライン講師を担当している。
小林 和司さん / 株式会社はちのす制作 代表取締役
2019年新卒で銀行に入行。法人営業に従事。法人融資・M&A・DX推進をメインに営業。2021年に銀行を退行した後、同月フリーランスへ転向。その後、2023年8月に法人化。現在は、株式会社はちのす制作にてAIO・LLMOコンサルタント・SEOコンサルタントとして顧客のマーケティング支援に従事している。
YouTubeは新たな「つながり」を生み出す場へ

高橋良輔さん
高橋:まず、みなさんはどれくらいAIを活用されているでしょうか? 実は、今回のプレゼンテーション資料は、すべてAIで制作しています。作りたい資料のイメージを共有すると、2〜3時間ほどで作成できてしまうんです。参考までに、使ったAIツールをご紹介しておきましょう。
▼ 高橋さんが使ったAI
Genspark (ジェンスパーク) :スライド作成から画像制作まで幅広く使えるAIエージェントツール
Gamma(ガンマ):プレゼンテーションやwebサイトなどを無料で作成できるツール
Orcha(オルカ):日本で作られた無料のAIツール
高橋:ここから本題ですが、本日は「AI時代における“継続的発信”の重要性」をテーマにお話しします。
2023年より、中小企業の社長訪問やAIの活用方法などを紹介するYouTubeチャンネル「りょうちゃんねる」を開始しました。役員からの「予算はないけれど、YouTubeで有名な中小企業診断士になってほしい」というなかなかハードな依頼がきっかけです。当時の私は、YouTubeを月に1回見る程度……、本当に手探りでした。
予算もリソースもないなかで思いついたのが、人気テレビ番組「笑っていいとも!」のテレフォンショッキング形式で、ゲストの方にその次の回のゲストを紹介してもらう企画です。「社長に社長を紹介してもらう」をコンセプトにスタートし、現時点で来年の春まで出演スケジュールが決まるほど盛り上がっています。

高橋:今年1月には、GMO社内で「お礼交流会」を開催。これまで出演いただいた社長さんたちに「横のつながり」を提供することができ、YouTubeがきっかけで新たなコミュニティが生まれました。
YouTubeで発信を続けていくうちに、コンテンツを配信する場から、コミュニティへと変化していったんです。

また、昨今はAIの登場によってYouTubeの重要度がより高まっています。ご存知かと思いますが、Google検索に「AIモード」が搭載され、webサイトを訪れることなく知りたい情報を得られるようになりました。
webサイトがクリックされにくいこれからの時代は、SNSの発信で見込み客を獲得し、その後に自社サイトへ誘導する流れが重要です。そのなかでも、Googleの子会社でもあり、検索とも親和性が高いYouTubeを活用することがポイントとなるといえるでしょう。
ホームページを作ることがAI対策(LLMO)になる

小林和司さん
小林:私からは3つのことをお伝えします。
①ホームページの必要性
②情報をAIに見つけてもらうことの重要性
③YouTuneを起点にコンテンツを拡充する
みなさんは日本でどれくらいの企業がホームページを作っているかご存知でしょうか? 総務省によると、従業員数が100名以上の企業の9割が自社サイトを保有しています。
また、当社が2023年に行った調査では、従業員数が5名以下の企業のうち、約50%が自社サイトを保有しているという結果が出ています。もちろん業種によって必要・不要の場合がありますが、私は2つの理由から、起業したばかりの会社でもホームページが必要だと考えています。
一つが「信頼性」につながること。従業員数に関わらず、企業情報がインターネット上に置かれていることは大切です。もう一つが、生成AIの活用が増えているから。以下の図をご覧ください。

小林:一般ユーザー1000人と、決裁に関わるビジネスパーソン500人を対象としたアンケートによると、いずれも2〜3割の人がすでに生成AIを利用して情報収集していることがわかりました。
ホームページを作ったらすぐに露出が増えるわけではありませんが、AIに見つけてもらうためにもホームページが必要です。ChatGPTやGeminiは、ビッグデータによる事前学習に加えて、RAG(Retrieval-Augmented Generation)というAIの検索によって新たな情報を取得しています。AIに見つけてもらうための対策、つまり「LLMO(Large Language Model Optimization)」が重要です。
https://hachinosu-seisaku.co.jp/column/llmo_entity
また、多くの人がAIの回答だけで納得せずに「再検索」することがわかっています。AIが登場しても検索の一部が簡略化されるだけで、自社サイトに訪れる人がゼロになるわけではありません。

小林:今後は、webマーケティングの分野でも多角化が重要です。特に、YouTubeを起点にコンテンツが拡充していくだろうと考えています。「ホームページは必要だ」という結論に加えて、YouTubeやSNSなどいろんな場所から情報発信していくことが欠かせなくなるでしょう。
【トークセッション】webマーケティングって結局どうやって設計したらいいの?
ここからは、PORT2401のインキュベーションマネジャーの朝比奈信弘をファシリテーターに迎え、トークセッションを行います。

朝比奈信弘(右)
朝比奈:お二人ともYouTubeについてお話しされていて学びになりました。この多角化時代をどう生き抜けばよいのか? ここからは高橋さんと小林さんにお話を伺い、みなさんに「自分なりの解」をお持ち帰りいただけたらと思います。
まず、最初のトークテーマですが「ホームページ(自社ページ)は事業活動に必要か?」です。
高橋:これは事業によるでしょう。何をメインとした会社なのか? どの地域にリーチしたいのか? によって変わってきます。地元の人だけに知ってほしい駄菓子屋さんと、海外旅行客も巻き込みたいお店では「見つけてもらう」ためのアプローチが異なるからです。
小林:事業がどのフェーズにいるかも判断したほうがよいでしょう。サービス概要が構築できていないままでは、ホームページは作れません。先にビジネスモデルを確立すべきです。
朝比奈:場所軸と時間軸で考えることが大事なんですね。会場には、すでに起業していてホームページがある方、これから起業を予定していてホームページがまだの方が半々です。起業初期でやるべきことがあれば、アドバイスをいただけますでしょうか?
高橋:「なぜホームページが必要なのか?」を考えてほしいですね。ホームページは、顔が見えない相手に渡す名刺に例えることができます。「何を載せるか?」「どれくらいの情報が必要か?」は考えておきたいです。
小林:名刺の例えはおっしゃる通りですね。ホームページを作る作業って、面白くてワクワクするので、あれこれ詰め込みたくなるんですが、不特定多数の知らない人が見る場所なので、詰め込みすぎないことも大事ではないでしょうか。
朝比奈:個人的に気になっていたことなのですが、最近では美容院や飲食店など、プラットフォームだけに情報を掲載し、ホームページがない店舗もあります。プラットフォームだけでも良いのでしょうか?

高橋:私は自社ページも必要だと思います。過去に、プラットフォームの情報だけで居酒屋さんを予約したのですが、食事をしたらガッカリで……。
改めて店名を検索したら、Googleマップの口コミ評価が驚くほど低いお店で、ホームページもなかったんですよね。そこから「店名でも検索しよう」と戒めになりましたが(笑)。自社サイトがあるほうが信頼できると、実体験として感じた出来事でした。
小林:プラットフォームだけとなると、その評価に依存してしまうのが難しいところです。お店の独自性を伝えるためにも、自社サイトは必要だと思います。自社サイトがあることで、低評価を覆せる可能性もありますよ。
朝比奈:続いてのテーマは「webマーケティングって結局どうやって設計したらよいの?」です。どのように見極めていくのが良いのでしょうか?
小林:非常に難しいテーマですね。全員に一致する正解がないので、その人・企業によって変わってくる……が答えになるでしょうか。誰に買ってほしくて、誰に届けたいと考えているのか? ターゲットを明確にすることで、マーケティングがスタートするのはどんな場合でも共通しているので、しっかりとターゲット設定をすることがポイントです。
朝比奈:ターゲットはどのように絞っていくのが良いのでしょうか?
小林:ペルソナまで落とし込んでみるのはどうでしょうか? 弊社の場合は、ある程度ペルソナに落とし込んだ後にGoogle広告のセグメントを参考に、少額で広告を出してペルソナが合っているのかを試しています。費用対効果が合うまで、何度もPDCAを回していくことが大事ですね。
朝比奈:「100人のふんわりファンより、1人の熱烈ファンを見つける」感覚と似ていますね。高橋さんはYouTubeを続けていくうちに「再生回数を伸ばしたい」「バズらせたい」のような承認欲求が出てくることはないのでしょうか?
高橋:再生数よりも、続けることが重要なんです。大事なのは「自社の情報を発信できる場を持っている」ことで、信頼のためにYouTubeでコンテンツを配信していると考えるのが良いでしょう。
朝比奈:会場にいらっしゃる方、オンラインでご視聴の方のなかからYouTubeにチャレンジする一歩を踏み出してもらえたらうれしいです。小さな一歩も続けていくことで、大きな力になるはず。ご登壇いただいたお二人、本日はありがとうございました!
質疑応答では、たくさんの質問が飛び交いました。ホームページ、そしてwebマーケティングについて広く深く知識を蓄えていただけるイベントになったと感じます。
PORT2401は、「起業を0.5歩でも前に進めるためのキッカケの場」として今後もさまざまなイベントを行っていきます。ぜひお気軽にご参加ください。