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イベントレポート:結果を出せる起業術! アクションに繋がる事業計画の作り方徹底道場

起業イベントレポート

「いざ起業しても、結局何から手をつけていいのか分からない――」

そんな悩みを抱え、なかなか一歩を踏み出せずにいる人も多いのではないでしょうか。

こうした状況を乗り越えるためには、事業設計の立て方そのものを見直し、「今自分がやるべきことは何か」をより具体的に考えることが必要なのかもしれません。
今回のイベントには、西大井創業支援センターのインキュベーションマネージャーで、中小企業診断士の渋屋隆一が登壇。きちんと行動に移せる事業計画の立て方について、講義とワークを組み合わせて解説しました。

<登壇者プロフィール> 
渋屋 隆一/中小企業診断士・インキュベーションマネージャー
1975年生まれ、神奈川県出身。中小企業診断士、情報処理技術者(ITストラテジスト、セキュリティなど)。IT企業2社にて、ITエンジニア・プロジェクトマネジメントに従事後、マーケティング・商品企画を担当。2015年にスモールスタートコンサルティングを創業。
管理職として9年間、5~30名のチームマネジメントを通して苦労した経験をもとに、コンサルティング・企業研修を行う。専門領域にとらわれず、経営・事業が良くなるよう、本質的・俯瞰的に支援することを心掛けています。

そもそもビジネスが成立する条件とは?

中小企業診断士・西大井創業支援センター インキュベーションマネージャーの渋屋隆一

本題に入る前に、「ビジネスが成り立つとはどういうことか」という前提について考えてみましょう。

あらゆるビジネスの基本は、「課題解決」だと言えるでしょう。顧客の現状と理想との間にある「ギャップ」を探り、それを埋める商品やサービスを提供することで取引をしています。

例えば、今、私の手元にはペットボトルがあります。現状、もし講義中に喉が渇いて声が出なくなったら、私はピンチに陥ることになります。一方で、理想はセミナーが終わるまで喉が枯れずにうるおったままで、問題なく話し続けられることですよね。

こうした「現状」と「理想」の間にあるギャップを埋めるものとして、ここにある水やお茶といった商品が成り立つというワケなのです。

経営者などのビジネスパーソンは、「お客さんが何に困っているのか」を探ったうえで、その課題を解決するために、どのような商品・サービスを提供するかを考えなくてはなりません。これはどのようなビジネスであっても、必要なことです。

事業計画のステップは6段階

ここから本題として、「まずは起業にあたり、事業計画のステップを把握しよう」というテーマでお話しします。

事業計画の進行サイクル(横軸)は、「アイデア」→「検証」→「最小の商品化」→「集客」→「販売」→「改善」の6段階です。

アイデアの段階では、「どのような人を対象とするのか」「どのような商品・サービスを提供するのか」について仮説を立てることが求められます。そのうえで、試しに販売してみたり、インタビューを行ったりしながら、想定している顧客のニーズを本当に満たせているのかを確認するのが、検証の段階です。

また、事業立案において必要な要素(縦軸)として、「戦略」「オペレーション」「マネタイズ」が挙げられます。オペレーションとは、商品・サービスを安定して提供するための製造や販売作業などのこと。この3要素に漏れがないか、また全体として整合性が取れているかをいつも意識しながら考えることが重要です。

これらの3要素を意識したうえで、事業計画のステップを左から右へと順に進めていきましょう。うまくいかない場合には前の段階に立ち戻り、見直しを行います。重要なのは、各ステップを飛ばさず進めること。どこかが抜け落ちると、事業計画自体に穴ができてしまいます。

ビジネスの制約条件について考える

続いてのテーマは、「事業を立ち上げるにあたって、課される制約条件とは何か」です。

制約と聞くと、ネガティブな印象を受けるかもしれませんが、現実問題として、私たちが使えるお金や時間には限りがありますよね。どんな大企業であっても、ビジネスには必ず制約条件が存在します。 まずは、次にあげる4つの制約条件を明確にしてみましょう。

①お金
②時間
③資産 
④基準

お金の制約に関しては、例えば、本業とは別に副業の形で徐々に事業を成長させていき、独立するパターンの方は多くいらっしゃいます。その際に「この収入まで来たら、仕事を辞めよう」というラインを設けることは大切ですね。

私も会社を辞めるにあたって、まず毎月の支出を洗い出して、必要最低限の収入ラインを設定したうえで、そこから逆算して具体的な計画を立てていきました。

続いて、時間です。起業当初は「とにかく頑張るぞ!」と短距離走になりがちなのですが、休憩は大事ですし、使える時間を多く見積もりすぎないことが重要です。

昼間は本業で働き、それ以外の時間で副業にあてるとなると、使える時間は人によって変わります。「1日に2時間が限界です」という人もいれば、「朝まで働けます!」という人もいたり。なので、そこをまずは整理してみてください。

最も避けるべきなのは、「分からない」という状態。自分の現在地が不明確なままでは計画が曖昧になり、不安から行動に移せなくなってしまいます。さらに、気づいたときには時間が足りず、タスクが終わらなくなるといったリスクにもつながります。そのためにも、まずは自分の現在地を把握し、それを定期的に見直すことが重要です。

タスクの分解は、実際に行動できるレベルまで細かく

先ほどは、事業計画の全体像をざっくりとお話しし、皆さんそれぞれが「今の自分が取り組むべきことは何か」について考えてもらいました。

しかし、「やるべきことが分かっているはずなのに行動できない」ことの原因の一つに、「タスクが粗すぎる」といった点があげられます。

例えば、「提案書作成」とだけ書かれたタスク。実際には、一口に提案書作成といっても、やるべき仕事はたくさんあるはずなんです。「そもそもなぜ提案書を作るのか?」という目的や、「いつまでに仕上げるのか」という期限の設定、あとは「どのツールを使って作るのか」といった部分も考えなくてはなりません。

大事なのは、「実際に行動できるレベルまで分解する」こと。自分がその行動を取っている場面を、具体的に想像できるくらいまで、細かく分解していく必要があります。

また、起業直後はすべてのタスクを自分一人で行う方が多いと思いますが、将来的に「人に任せるタスク」も出てくるかもしれません。例えば、ホームページを作るのは、外部のウェブ制作会社にお願いしようとか。そのため、「誰がこのタスクを担当するのか」を明確にしておくことも重要です。

こうして曖昧だったタスクを掘り下げていくと、不確実性の高いものも見えてきます。やり方が分からなかったり、お客さんによって求められる内容が変わる仕事であったり。そうした「不透明さを感じるタスク」については「なぜそう感じるのか?」と、理由まで明らかにすることが大事です。

タスクを分解する際は、まずは時系列からですね。そこから「誰が担当するのか?」「いつまでに締め切りを設定するか?」なども考えます。時には専門家をうまく活用したりして、タスクを遂行していきましょう。

また、よくあるのが「完璧な計画を立ててから行動しよう」と思ってしまうことです。あくまで私たちが立てるのは仮説ですから、その仮説をもとに、検証あるいは修正して、また次の新たな仮説を立てる、というサイクルをぐるぐる回し続けることが大事です。

さらに、その仮説もしっかりと根拠に基づいて組み立てることで、このサイクル全体の精度を高めることができますよ。

事業計画を明確にし、安心して一歩を踏み出そう

事業の仮説・検証は“宝探し”に似ています。一度あたりをつけてざっと掘ってみても、いきなり宝に出合えることはなかなかありません。あっちかな、こっちかなと手探りで探しながら進めていき、その積み重ねのなかで、ようやく正解にたどり着くことができるのです。

事業計画は、一度で完璧に作れるものではありません。今回学んだ事業計画のステップやタスク分解の考え方をヒントに、仮説と検証を繰り返し、よりよい事業へと育てていきましょう。

また、PORT2401では「ここから始まる 起業の航路」をテーマに、トークセッションや相談会などさまざまなイベントを企画しています。ぜひお気軽にご参加ください。